当社は日本で作成した書類をマレーシア政府公認のエージェントである業務提携先の会社を通して申請しています。マレーシアのMM2Hセンターでは政府公認業者でなければ代理申請を受付けていないので、たとえ日本の弁護士や行政書士であっても代理申請はできません。
一方、「業者にお金を払うのはもったいない」と考える人はエージェント経由でなくて、実は個人申請の方法でもマレーシア政府は受けつけています。
ただし個人申請の場合にはその対応をすべて自分で行い、セキュリティーボンドの支払いも必要になってきます。そしてそれ以上に面倒なのは本申請の時です。
本申請には最初にアプルーバルレターという仮認証の紙を本人がMM2Hセンターに取りに行く必要があるのですが、そのMM2Hセンターがある場所(プトラジャヤ)は省庁の高いビルが建っているだけで、日本の県庁や市役所前の街とは全く異なり、他にこれといって観光すべきところはありません。
そしてその書類を持ちかえり、健康診断や銀行に行くのですが、MM2H申請に対応する健康診断を行ってくれるクリニックやMM2H用の口座開設をスムーズに受け付けてくれる銀行を探さなければいけません。そしてマレーシアは銀行ごとにサービスが違うのは当たりまえで、さらに支店ごとやその支店の担当者が違えば言うことが違うなんてこともよくあります。
これらを無事探し出せて健康診断を済ませ銀行でその日に口座を開設できたとしても、MM2Hの申請時に必要なお金が入金されていないとダメなので、すぐにその口座へお金を日本から送金してもらっても、着金まで数日間は待たなければなりません。(2019年現在の状況で、今後は銀行も即時に着金するように変わる予定ではあります)
さらに大変なのは、すべての書類が出来て、再度MM2Hセンターに行って申請しても、出来るまで役所内で延々と待たなければなりません。それが当日で終わればまだいいほうで、下手すると3日ぐらいかかる場合があるようです。(特に今は香港からの申請者が増えているため)
このように、日本で住んでいてこの申請のために1週間の日程で行った場合、ある程度の準備をしておけば何とかビザの取得はできると思いますが、旅行の思い出は病院と銀行と役所に行ったことだけになりそうです。また、帰り便の変更ができない場合は、ちょっとした手順のミスから時間切れで日本に帰国しなければならないということもあり得ます。
一方、エージェントを活用することで、仮認証の用紙をピックアップしてもらい、事前の銀行口座開設と送金をしておけば、1日だけは健康診断と銀行手続きが必要ではありますが、あとは観光やショッピングを楽しみ、ホテルのプールでノンビリしていれば、ビザが手に入ります。
海外に滞在している貴重な時間を考えると、その「時間を買う」ことになる代理申請は、場合によっては個人申請よりも時間が節約できることで結局お金の節約になる場合もあります。慎重に比較検討頂ければと思います。