エアアジアの1年間乗り放題パスから考える、新型コロナウイルスの影響について

マレーシア関係のツイッターなどで最近話題になっているものに、エアアジアが3月7日までの期間限定で売り出している、1年間乗り放題となる「AirAsia Unlimited Pass(エアアジア・アンリミテッド・パス)」があります。

これは、バンコクとクアラルンプール発着の日本・オーストラリア・インド・中国・韓国路線について1年間乗り放題になるチケットであります。約13,000円(499RM)という、日本とマレーシアを往復すれば元が取れる格安価格で売り出したため、多くの人が“とりあえず”買ってみようとしているようです。

ただし、購入者はマレーシア在住(これには様々な裏技があり、日本在住でも買えそうです)で、会員限定の商品であり基本運賃以外のサーチャージ等は掛かりますし、1日の搭乗回数や予約やキャンセルについても様々な制限がかかります。加えて路線は限定されていて、当然マレーシア国内や需要が多そうなシンガポールへのフライトも使えないようです。

私もマレーシアに行く用事があるので検討はしてみましたが、確実に予約が取れるかわからず、仕事の都合で変更することに関して対応ができないこと、そしてそもそも名古屋発着のKL行きがなく、大阪や東京や札幌経由にするとそこまで行く交通費もかかり、フライトスケジュールの関係で前後泊しなければならないので今回は断念しました。

エアアジアがこのようなチケットを売り出した背景として今年のマレーシア観光イヤーを応援するといった話もありますが、あまりに販売が急であることから、新型コロナウイルの影響が大きいのでないかと推測されます。

今回乗り放題の対象となる路線はオーストラリアやインドもありますが、多くの便は日本や韓国や中国であり、現在は互いの国に気軽に旅行にいける状況になく、そもそも日本からの出発ならば入国さえも制限される状態であります。

会社としては無事にコロナウイルスの脅威が過ぎ去り、旅行需要が増した場合には、この無料パスの利用制限を強くして需要を調整するのも可能でありますが、それをしすぎるのも反感を買うことはわかっているはずです。

つまり長期的にチケットが売れないことがかなり確実に見込めるので、苦肉の策としてスーパーバーゲンに踏み切ったのでは。。。そう考えると、手放しで喜べず、むしろそら恐ろしくさえなってきます。

現在、マレーシアではコロナウイルスの影響に加え、国内政治のゴタゴタにより、リンギは安くなり金利も下がっています。とてもマレーシアに行き、お金を使うというムードではないのかもしれません。

その一方で、コロナウイルスがこれほど蔓延する前に日本国外を脱出し、マレーシアにも拠点を持って生活している人にとっては、この1年間乗り放題チケットを購入すればあちらこちらへ旅しながらテレワークやノマドワークという形で好きな場所で好きな時間に仕事をし、相対的に強くなった円で収入を得て、景気が悪いため物価が下がったリンギを使い生活することが可能となっています。

ピンチになった時にも、かならずチャンスというかお得な情報は現れるのですが、それを利用できるかできないかの差は、「準備の差」や「判断と実行の差」であることを感じざるをえません。

(写真出典:https://s3-ap-southeast-1.amazonaws.com/images.marketing-interactive.com/wp-content/uploads/2014/12/AirAsia-700×387.jpg)

 

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